小松市埋蔵文化財センター建設事業

1.事業の概要

 小松市は、海・河川・潟湖・沖積平野・台地・山地など全ての条件がそろう地形的変化が豊富な
地域であり、その豊富な地形に呼応するかのように、県内でも有数の遺跡の密集地帯となってお
ります。さらに、それらの遺跡からは、国指定重要文化財である「矢田野エジリ古墳出土埴輪」や、
現在県指定文化財であり、国指定の候補でもある「八日市地方遺跡出土品」などに代表されるよ
うな貴重な遺物が数多く出土しています。小松市では、それら国民共有の歴史遺産である埋蔵文
化財を一元的に管理し、後世へと継承していくとともに、郷土の歴史や大切な文化財について市民
が学び、触れ合うことができる施設として、埋蔵文化財センターの建設事業に平成18年度より着手
しています。

また、埋蔵文化財センターの建設により、これまで収蔵庫に保管されたままの状態だった上記
重要文化財についても、センターの展示室で常時公開できるようになります。さらに、研修室や図
書室も設けられ、学習施設としての機能がより充実したものになります。

建設工事は、平成2012月に着工し、平成22年度開館に向けて着々と進められています。

                     小松市埋蔵文化財センター完成予想



2.埋蔵文化財センターの概要

 (1)施設の概要

  ・敷地面積 3,234.86u

  ・埋蔵文化財センター延床面積     1,286.44u

     改修棟(鉄骨造平屋建て)      366.02u

    増築棟(鉄筋コンクリート造2階建て)   920.42u

(1階488.42u、2階432u)

 ・併設収蔵庫(軽量鉄骨造平屋建て)   168u

 (2)施設内部の様子

  a.保護調査部門

    管理室兼資料閲覧室、遺物洗浄室、出土品整理室、木製品整理室、保存処理室、撮影室
など機能別の部屋を設け、効率的な整理作業を行います。また、出土品整理室は一般公開し、
作業体験コーナーも設けます。

  b.収蔵保管部門

    収蔵庫・器材保管庫、映像資料保管室、図面保管庫を設置します。前述の「矢田野エジリ
古墳出土埴輪」や「八日市地方遺跡出土品」など、特に重要な出土品を収蔵する重文遺物収
蔵庫は、温度や湿度が常時管理された特別な施設となります。

  c.公開・普及・教育部門

    前述のとおり、国の重要文化財も公開可能な展示室のほか、図書室、研修室は、利用者
の利便性を考慮し、1階に集中的に設けます。展示室は、柔軟性のある配置が可能な展示
ケースを設置し、特別展なども開催する予定です。図書室では、約9,500冊の埋蔵文化財関
連図書の閲覧が可能となり、市民の研究活動に資するものとなります。研修室は、視聴覚設
備も設置し、市内の小・中学校の1クラス(36人程度)の収容が可能であり、体験学習などに
活用されます。

                                 展示室内完成予想CG

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