平成18年度埋蔵文化財発掘調査の概要

小松市教育委員会 埋蔵文化財調査室

八日市地方遺跡

  小松市日の出町一丁目地内

調査期間  平成18年4月17日〜1020

調査面積  1,300u

調査原因  共同住宅建設

概  要 八日市地方遺跡は、弥生時代中期に営まれた環濠集落です。密集した方形周溝墓群、旧河道から出土した大量の木製品、玉造関連の遺物等、多種多様な遺構や遺物が見つかっており、北陸における中核的な弥生時代の集落として注目されています。

今回の調査区は、遺跡の中央部を横断する旧河道の右岸部にあたり、掘立柱建物や環濠、旧河道等が確認されました。環濠や旧河道からは多量の弥生土器が出土しており、その中には「トリ」が描かれた絵画土器も含まれていました。

「トリ」が描かれた絵画土器
                        
                   「トリ」が描かれた絵画土器

薬師遺跡

  小松市矢崎町地内

調査期間  平成18年4月24日〜6月8日

調査面積  350u

調査原因  店舗建設

概  要 薬師遺跡は、木場潟を望む台地上に営まれた飛鳥時代から平安時代にかけての集落遺跡です。今回の調査では、竪穴建物1軒(7世紀中頃)、掘立柱建物3棟(時期不明)、土坑数基等の遺構が確認されました。遺物は、須恵器・土師器の他、鉄製品(鉄鏃・不明鉄製品)・鉄滓・石帯(丸鞆)等も出土しています。鉄製品や鉄滓の出土から、集落内で鉄製品の製作が行われていたことが推測できます。

二ツ梨豆岡向山古窯跡

  小松市二ツ梨町地内

調査期間  平成18年9月19日〜1212

調査面積  640u

調査原因  個人果樹園平地化事業

概  要  平成17年度に調査した4号窯周辺の遺構調査と、C地区の確認調査を実施しました。調査の結果、土師器焼成坑が4基検出されましたが、殆どが近代の撹乱により破壊されていました。4基の内1基(SJ3)は遺存状態も良く、方形プランをもつ約2m四方の規模で、非常に良く焼けて硬く酸化焼結した床や壁を伴うことが分かりました。これら4基の土師器焼成坑は風をよく受ける北西斜面で確認されており、風向きを考えて造られたと考えられます。

土師器焼成坑                                     

                     土師器焼成坑SJ3 


千代オオキダ遺跡

  小松市千代町地内

調査期間  平成1811月9日〜1113

調査面積  69u

調査原因  住宅建設

概  要 千代オオキダ遺跡は、梯川左岸の微高地上に位置する弥生時代から中世にかけて営まれた集落遺跡です。今回の調査では、奈良・平安時代の掘立柱建物・土坑・溝や、中世(南北朝時代)の井戸等が確認されました。遺物は、奈良・平安時代の須恵器・土師器や、中世の加賀焼・白磁等が出土しました。

松谷寺跡

  小松市五国寺町地内

調査期間  平成181120日〜1225

調査面積  4,000u

概  要 重要遺跡詳細分布調査として、中宮八院の1つである松谷寺跡の確認調査を実施しました。今年度は全体約8,000uの内、約4,000uを対象に調査を行いました。調査の結果、山頂部で建物跡や8世紀前半頃の須恵器・土師器が確認されました。

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