平成18年度 宝達志水町史跡関連記事報告
◇御舘館跡 平成18年4月7日 石川県史跡指定
羽咋郡 宝達志水町御舘 ワ部1番1地 他345筆
御舘館跡 全景(東上空から西方向)
御舘館跡は、宝達山から派生した標高約36mの舌状台地上に位置し、北側を大坪川、
南側を杓田川に挟まれ、東西約300m、南北約200mと広範囲に及んでいます。
平成7年度から12年度に渡り調査を実施し、一辺約80mの主郭、二重に巡らされた堀、土塁が
良好な状態で検出されました。
出土遺物には、多くの土師器皿や珠洲焼、越前焼、瀬戸・美濃焼などの国産陶器や、青磁・白磁
などの貿易陶磁器が発掘されています。
石川県の平地に築かれた館跡は、伝承地を含めて約350カ所が知られているものの、その多くは
後世の開発で失われ、その規模や変遷を明らかにできるものが極めて少ない中、御舘館跡にあっては、
その規模の大きさ及び遺構状態の良好さにおいて、県内では類例がないことから、石川県文化財保護
審議会の答申を得て、平成18年4月7日に石川県指定文化財(史跡)に指定されました。
今後は、地元の人々によって連綿として守られてきた、御舘館跡の保存活用に向けて、
地域とともに環境整備を進めて行きます。
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国指定史跡 散田金谷古墳 解体修理
昭和57年に国指定史跡を受け、昭和59年度から63年度にかけて保存整備のための発掘調査、
石室修理、周辺環境整備を実施してきました。
今回、保護地区指導員による定期文化財パトロールで石室内への漏水が確認され、今年度より
国庫補助を得て解体修理を行うこととなりました。
現在までに、墳丘の一部解体を行い、漏水の原因究明調査、及び石室内の家型石棺(県指定)
の保護作業を実施しております。
次年度においては、墳丘修理・石室内の照明施設を含めた環境整備を実施する予定です。